パット・ゲルシンガー氏でも1週間にできることには限りがある。米半導体大手インテルの元エンジニアであるゲルシンガー氏は先週、同社の次期最高経営責任者(CEO)に指名された。市場関係者はこの人事を大いに好感した。インテルが長年抱えている製造上の問題にようやく片を付けるには、技術に明るい指導者が必要だとみていたからだ。だがこの発表がなされたのは、同社の2020年期10-12月期(第4四半期)決算が発表されるわずか1週間前。この決算発表の中で、今後設計するチップの製造について、台湾積体電路製造(TSMC)のような競合他社への外部委託を増やすかどうか明らかにすると明言していた。ゲルシンガー氏が正式にCEOに就任するのは2月15日だが、同氏は21日に開かれたアナリストとの電話会議に出席し、この点について遠回しに言及した。同氏は、インテルが開発中の7ナノメートルの半導体の製造プロセスでこれまでに成し遂げた進展に満足していると述べ、2023年に発売する製品の大半が自社で製造されることに自信を示した。その一方で、「一部の技術や製品」の外部委託を拡大する可能性があるとした。