米国ビジネススクール講師である著者が、グローバル人材のための「決算書の読み方」を伝授する本連載。基礎編で学んだ決算書をベースに企業のビジネスモデルを検証していきます。
本稿は、決算書のエバンジェリスト(伝道師)である大手町のランダムウォーカーさんと会計コラボレーションイベントをしたときの一部コンテンツを抜粋したものです。「海外決算書を読み解く」のような難解なメッセージではなく、クイズを通じて企業のビジネスをイメージしてもらうことで、皆さんにもっと海外企業のビジネスを知ってもらえればと思います。
今回は米国IT界の巨人たち、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)のうちの1社、フェイスブックについて検証していきたいと思います。
SNSの雄、フェイスブックはどっちだ?
というわけで、本日はSNS業界の雄であるフェイスブックに焦点を当てて決算書を分析していきます。比較対象の企業には、同様のSNSサービスを提供するツイッターを設定しました。
それでは、クイズにまいりましょう。以下の損益計算書(PL)のイメージ図を見てもらい(1)と(2)のどちらがフェイスブックかを当ててみてください。
ここで、ヒントとして、2社の情報を簡単に整理しておきましょう。
●フェイスブック(Facebook)…2004年に米ハーバード大学に在籍していたマーク・ザッカーバーグと彼のルームメートによって誕生。元々ハーバード大学内のサービスでしたが、徐々に「アイビーリーグ」という総称で呼ばれる米名門私立大学や米スタンフォード大学などに拡大していきます。フェイスブックだけでなく、「メッセンジャー(Messenger)」「インスタグラム(Instagram)」「ワッツアップ(WhatsApp)」などのサービスを保有。現在、全世界で20億人を超えるアクティブユーザーを抱えるフェイスブックはSNSの雄として君臨しています。フェイスブックの場合、売り上げのほとんどは広告収入で、なんと売り上げ全体の98%(2020年度)を占めます。