アルアクサに到着した移動式予防接種クリニックで、イスラム教徒に新型コロナワクチンを接種するユダヤ人の医療従事者 
アルアクサに到着した移動式予防接種クリニックで、イスラム教徒に新型コロナワクチンを接種するユダヤ人の医療従事者 Photo:Anadolu Agency/gettyimages

イスラエルはコロナワクチンの接種が、世界の中でも「最速ペース」で進んでいる。在留外国人でも接種を認めているため、イスラエル在住の筆者は幸いにもワクチンを接種できる機会を得た。その体験談とともに、外国人へのワクチン接種の課題についても触れてみたい。(イスラエル国立ヘブライ大学大学院・総合商社休職中社員 徳永勇樹)

「コロナワクチンが打てる」という情報を
同級生から聞いて行ってみた

「保険会社に入ってなくてもワクチン打てるらしいぞ」

 ある日の夜、ヘブライ大学の同級生マタン君からこんな連絡があった。前に、「ワクチンを打てるなら打ってみたい」と筆者が言ったことを覚えていて、わざわざ連絡をしてくれたのだ。

 以前にイスラエルのワクチン接種事情の記事(『新型コロナワクチン「不足のはずが余る」意外な理由』)を執筆した際にも記載したが、保険会社経由でなければワクチンの申し込みができず、保険非加入の私はしばらく受けることができなかったのだ。

 聞いてみれば、今から30分後には接種所が閉まってしまう。しかも、その場所は、10キロも離れている。30分以内に現地に到着するのは不可能だ。バスだと1時間かかるし、わざわざタクシーを使う余裕もない。せっかくの機会だが丁重にお断りしようとすると、マタン君は、自ら車を飛ばしてくれる、と言う。