組織文化で競争する時代に

 私たちはいま、時代の大きな転換点に立っています。

 18世紀半ばにイギリスで起こった産業革命以降、長らく続いた資本主義経済は曲がり角にさしかかっています。特にこの半世紀で世界中に広がったグローバル資本主義は、いきつくところまで膨らみました。私たちは、それによって生みだされた貧富の格差や環境問題といった負の側面に直面しています。

 大量生産・大量消費の時代が終わり、「いいモノを作れば売れる」といった旧来型のビジネスモデルはもう通用しなくなっています。

 文明の競争で有利なのは、ヒト、モノ、カネという資本をふんだんに持つ者です。より速く、より大量に、より安く作った企業が市場の勝者となってきました。

 かつては日本企業も、この文明の競争で世界に名を馳せました。

 しかし現在、世界で力を持つのはより巨大な資本を有するアメリカや中国の企業です。

 一方で日本は、長く続いた低迷期によって企業の競争力が衰えています。深刻な高齢化や人口減少が進む日本がこの先、アメリカや中国などの大企業と文明軸の競争で伍して戦える可能性は限りなく低いでしょう。

 では、日本企業はこの先、何を武器に世界と戦えばいいのでしょうか。

 ここで重要になるのが組織文化です。

 文明軸の競争で圧倒的な強さを発揮できなくても、ほかがまねすることのできない独自の組織文化を育み、キラリと光る唯一無二の存在になること。それができれば、グローバル競争の中でも生き残ることはきっとできるはずです。

 最近では、採用の場面でも、何ができるのかという「do」ではなく、どうあるのかという「be」の部分が重視されるようになっています。

 同じように、企業がこれから消費者や従業員、取引先、株主といったさまざまなステークホルダーに選ばれるには、どのような成果を達成したのかという「do」の部分ばかりではなく、どのような価値観で事業を営んでいるのかという「be」の部分が大きな意義を持つはずです。

 日本企業がグローバル市場で存在感を高めるためにも、それぞれの企業が持つ唯一無二の「らしさ」を理解し、大切に育てていく必要があるのです。(続きは2021年3月7日公開予定)

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