「結局、私たちのような弱い立場の人々は、非常に都合のいい扱いをされています。会社からは、忙しいときに手伝ってくれる便利な存在だけど、強く押せば簡単に辞めてくれると思われている。もう次に働けるチャンスはないかもしれない」

 筆者は2009年から当連載で「大人のひきこもり」をテーマに、社会から望まない離脱をさせられてきた人たちに数多くインタビューしてきた。こうした見えない「コロナ解雇」が、弱い立場の人たちの自己都合という形で行われている実態は、リーマンショック時の派遣切りや雇い止めなどと同じ構図だ。

 当時そうだったように、解雇や雇い止めに遭った人たちの中に絶望や諦めが積み重なれば、孤立への入り口につながる。今は何とかセーフティネットで防いでいるように見受けられるものの、今後はリーマンショックをはるかに超える規模で新たな「ひきこもり層」が出現するだろうと予感する。

 そんな中で踏ん張ってきたユウコさんは3月末、会社に対して仮処分を申し立てた。

※この記事や引きこもり問題に関する情報や感想をお持ちの方、また、「こういうきっかけが欲しい」「こういう情報を知りたい」「こんなことを取材してほしい」といったリクエストがあれば、下記までお寄せください。

Otonahiki@gmail.com(送信の際は「@」を半角の「@」に変換してお送りください)

 なお、毎日、当事者の方を中心に数多くのメールを頂いています。本業の合間に返信させて頂くことが難しい状況になっておりますが、メールにはすべて目を通させて頂いています。また、いきなり記事の感想を書かれる方もいらっしゃるのですが、どの記事を読んでの感想なのか、タイトルも明記してくださると助かります。