筆者はこのところ5台の電子機器と一緒に寝ている。ナイトスタンドやマットレスの下、手首に設置されたこれらのセンサーは、あらゆる種類の情報を夜通し自動的に収集する。就寝時間や睡眠時間、寝付くまでの時間、睡眠中断回数、浅い眠りと深い眠りの割合、いびき、平均心拍数、1分当たりの平均呼吸数など、筆者はデータの海を泳いでいる。その目的は、寝起きの悪さを直すことにある。新型コロナウイルス禍が始まって以来、絶えず睡眠不足に悩まされているが、それは筆者だけではないようだ。そこで、スマートブレスレットやウオッチ、パッド、ディスプレーなどを使用し、目覚めをよくできないかと考えた。フィットビットなどのウエアラブル端末には以前から睡眠追跡機能が付いているが、この分野に進出する機器メーカーが増えている。アップルウオッチの基本ソフト(OS)「ウオッチOS7」向けに昨年9月、睡眠追跡アプリが登場した。また、グーグルが近く出荷を開始するスマートディスプレー「ネストハブ」の新型モデルには、寝返りや呼吸パターンを測定できるレーダーセンサーが付いている。