エジプト当局は先月スエズ運河で座礁し航路を1週間近くふさいだ大型コンテナ船「エバーギブン」について、船主が賠償支払いに同意するまでは船を解放しない考えを示した。エバーギブンの座礁は世界有数の海運の要衝が一時的に閉鎖される事態を招き、当局は原因などを調査している。スエズ運河庁のオサマ・ラビア長官は8日、エジプトの国営テレビで「調査が完了し賠償金が支払われるまでは、船はここにとどまる」と述べた。ラビア氏はさらに、「われわれは迅速な合意を望んでいる」とし、「彼らが賠償に同意すればすぐに船の移動が許可されるだろう」と語った。ラビア氏はこの日発言では、エジプト当局が求める賠償額を明らかにしなかった。ただ、同氏は先週、船の離礁作業に関わるコストなどでエジプトは10億ドル(約1090億円)を請求する考えを示した。この金額にはエジプトにとって重要な外貨獲得源となっている通航料収入の損失や、運河をふさいだことに伴うコストなどが含まれる。座礁によって、運河の両端では400隻以上の船が滞留した。
スエズ運河は再開、「エバーギブン」は賠償問題で足止め
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