中国の2021年1-3月期(第1四半期)の実質国内総生産(GDP)は、前年同期比18.3%の伸びを示した。だが、それより示唆に富むのは、前期比0.6%増という数値かもしれない。これは過去の実績に照らしても低調なペースで、新型コロナウイルスからの回復が始まって1年経つ中、成長の勢いが減速していることがうかがえる。新型コロナ感染の発生源となった武漢で当局がロックダウン(都市封鎖)を解除した昨年4月8日から12カ月。中国経済は予想を覆す動きを見せてきた。2020年の大半を通じ、輸出部門がけん引力となった。製造業はロックダウン状態の世界へ向けて、大量の医療用保護具や在宅勤務用のコンピューター機器を生産。当局が徐々に国内のウイルスを撲滅するにつれ、消費も次第に戻ってきた。