温暖化する地球を冷ますために人々の投資を活用するのは、米金融街で最も熱いアイデアの一つだ。環境汚染の少ない企業への投資拡大を目指す低炭素ファンドは、ESG(環境・社会・企業統治)戦略ブームの一端を担っている。米ブラックロックは4月8日、ETF(上場投資信託)の「米カーボン・トランジション・レディネス・ファンド」を立ち上げた。投入初日としては30年近いETFの歴史で過去最大の約12億5000万ドル(約1400億円)が集まった。ESGあるいは「サステナブル」投資については、二つの基本的な事実を理解しておく必要がある。一つ目は、企業責任は見る人によって異なり、ある投資家にとっての模範が別の投資家にはさげすまれるということ。二つ目は、高い手数料を得ようとする投資会社にとり、ESGは最後に残された最大の希望であるということだ。