新型コロナウイルス絡みの混乱から1年がたち、ヘルスケア業界はほぼ平常に戻った。市場はまだそれに気づいていないようだ。米製薬・医療機器大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(JJ)もその一例だ。投資家や一般の人々はこのところ、同社の新型コロナワクチンに注目している。血栓の生じる副反応について米規制当局が審査する間、一時的に配布が停止されているためだ。欧州当局は20日、同社製ワクチンの接種を中止しない方針を明らかにしており、米国でも間もなく接種が再開される可能性がある。ただ、ワクチン自体はJJの財務に大きな影響を及ぼさない。JJが20日発表した1-3月期(第1四半期)決算は売上高が223億ドル、調整後1株利益が2.59ドルと、前年同期から8%と12.5%それぞれ増加した。コロナワクチンの売上高は1億ドルで、総売上高の1%未満だ。同社はまた、2021年の売上高と利益の予想を上方修正し、配当も引き上げた。これはヘルスケア業界の他方面にも心強い兆候となる。ヘルスケアは米国内総生産(GDP)の約18%を占める。
米ヘルスケア業界ほぼ全快、J&J決算で鮮明
ワクチン配布の一時停止、J
有料会員限定
あなたにおすすめ