「とにかく、社会貢献がしたいんです!」――。卒業後の進路について、こう話す大学生がなんと多いことか。特に統計をとったわけではありませんが、社会保険労務士という仕事をしていると、こういう若者に出会うケースが非常に多い気がするのです。「社会貢献をしたい」という想いそのものは否定されるものでもなく、むしろ「立派な考え」であると思います。しかし、その「社会貢献」というキーワードだけで就職先を選んでしまってよいのでしょうか。(特定社会保険労務士、大槻経営労務管理事務所代表社員 大槻智之)
就活をする上で
ポイントとなる条件とは
就活をする上で、ポイントとなる条件は人それぞれです。「とにかく給与が高い」「休みが多い」「福利厚生が充実している」などの待遇を中心とした条件や、「自己成長できる」「特別なスキルを身に着けられる」など、将来的なキャリアを中心に考えた選択、さらには「安定した業界」「会社に勤めたい」など志望動機はさまざまです。
「何を最優先にするか」は、人それぞれの環境や価値観によって決まるので、これといった「正解も不正解もない」といって良いでしょう。
しかし、あまりにもバランスを欠いた選択はのちのち、自分自身を追い込んでしまうこともあるのです。
※リクルートキャリアの就職みらい研究所の就職プロセス調査(2020年卒)では、就職先決定の決め手として自己成長、福利厚生、勤務地という順になっています。