2020年に全国の警察が大麻事件で逮捕や書類送検した容疑者が過去最多の5034人(前年比713人増)だったことが、警察庁の統計で判明した。摘発された人数は4年連続で最多を更新し、5000人を超えたのは初めて。うち20代が約半数の2540人(同590人増)、未成年も887人(同278人増)で合わせて全体の7割近くを占め、低年齢化が顕著であることも明らかになった。背景には手軽に入手できること、危険性が正しく認識されていないことなどが指摘されている。(事件ジャーナリスト 戸田一法)
若年層の急増により
摘発者数は5年で2倍
警察庁の発表によると、人口10万人当たりの摘発者は5.0人で、ここ5年間で倍増。このうち20代は2.5倍の20.1人、未成年は4.3倍の12.9人と若年層が特に急増した。未成年では高校生が159人、中学生が8人で、最年少は14歳だった。逆に30代以上は1607人で前年から155人減少した。
内訳は所持が4121人、譲渡が274人、栽培が232人。若年層には大麻が危険との認識が薄く、使用した動機も「好奇心・興味本位」「その場の雰囲気で」が圧倒的に多く、他の薬物に比べて入手が簡単という背景があるようだ。