覚醒剤などと違い
大麻の使用に罰則はない

 こうした事実を裏付けるように、新聞やテレビで若年層の大麻使用による摘発の報道が目につく。それも大学生の事件が多く、単純に所持や譲渡であればそれほどの扱いにならないが、それ以外の「オマケ」がついて大きなニュースになっているケースもある。

 最近では名門運動部での大麻を巡る問題が表面化した。刑事事件としては立件されなかったが昨年10月、東海大野球部と近畿大サッカー部という名門運動部での大麻使用問題が相次いで発覚した。

 前述のデスクによると、東海大学に「野球部員が大麻を使用している」と電話で情報提供があり、大学側が調査に着手。聞き取りに数人が使用したことを認めたため活動を停止し、監督も辞任した。

 神奈川県警は野球部の寮などを家宅捜索し、大麻を押収。元部員2人を所持容疑で書類送検したが、横浜地検小田原支部が不起訴処分とした。2人は初犯で反省の姿勢を示した上、無期停学処分という社会的制裁を受けたことなどが理由とみられる。

 近畿大は、サッカー部員からコーチに「大麻を使用している部員がいる」と相談があった。これを受けミーティング後に問い掛けたところ、5人が認めたという。サッカー部は活動を停止し、監督は大学から退任勧告を受け辞任した。

 大阪府警は使用を認めていた部員の下宿先などを家宅捜索していたが大麻は見つからず、所持を裏付けられなかったため立件を見送った。

 使用を認めているのに「所持が裏付けられなかったため立件見送り」に疑問を感じる方がいるかもしれないが、実は覚醒剤などと違い大麻は「使用」を規制していないので、使用の事実だけでは罪にならない。

 ただ使用は当然、所持していた事実が存在するので、刑事的な処分はなくても、大学側は退学や停学などしかるべき処分を行ったようだ。