ジェームズ・モンロー米大統領が欧州の列強に対して西半球で植民地化の動きをやめるよう求めたモンロー主義以来、歴史家たちは「主義」を探し求めてきた。この「主義」とは、米大統領の外交政策の指針となる大きな思想のことだ。先週のバーチャル形式での気候変動サミットの後、政治ウオッチャーらは、「バイデン主義」が外交政策面での米国の取り組みを明確化すると同時に複雑化していることを、理解し始めるかもしれない。簡単に言うと、バイデン主義とは、地政学的な競争関係が世界史を動かす原動力になってはならないというものだ。中国との競争は現実であり、強力な対応が必要だが、米国の外交政策の本質的目標は、価値観に基づく国際秩序の構築だ。その秩序は、人類共通の問題に組織的かつ協調的でさえある手法で取り組むことを可能にするものだ。