実際のミーティングでは、体調や進捗の確認をした後、すぐに雑談を始める。確認はほんの数分で終わり、20分間のうち15分以上が雑談ということも珍しくないという。

「一人で仕事をしているので、集中して疲れてしまうこともあるが、言葉を発して会話することで気分転換になる」と栗山さんも語るように、お互いの顔を見ながら話すことで、孤独感の払拭(ふっしょく)と連帯感の醸成に役立っているようだ。

 三つ目が、本社スタッフによる手厚いサポートだ。重度の身体障がいがある在宅社員は、定期的な通院が必要な場合や体調を崩してしまうこともある。

「サポートをする本社スタッフが1日1回は定例ミーティングに参加して様子を見るなどして、『無理はしないように』としきりに声をかけている。また、体調面での不安がある場合は、いつでもWeb会議システム上で保健師に相談できる仕組みになっている」(クラウドワーク統括部 在宅就労推進課・依田一孝氏)

 また、新たに入社する在宅社員の中には、社会とのつながりが薄くなっており、最初は円滑なコミュニケーションが難しいケースもあるという。そこで、ソーシャルスキルの向上を目的に、入社時には約2カ月間にわたって研修を行っている。

「本社スタッフから、最初の1カ月はリモートワーク環境に慣れる研修や組織風土を理解してもらう導入研修を実施。次の2カ月では、先輩社員から業務上のコミュニケーションに慣れるための研修を行ってもらい、その後、配属になる。研修を通して、ソーシャルスキルが向上し、チームでのコミュニケーションも円滑に行えるようになっている」(岡崎ゼネラルマネージャー)

ますます広がるリモートワーク
課題をどのように解決すべきか

 在宅社員の栗山さんは足に障がいがあるが、同社へ入社するまでは毎日片道25分ほどをかけて出勤していた。それが在宅勤務になり通勤がなくなったことで、体調が良くなったと実感しているという。

 現在、コロナ禍でリモートワークが導入され、栗山さん同様に通勤から解放された喜びを感じている人はきっと多いことだろう。その一方で、リモートワークによるチーム運営の難しさや孤独感が浮き彫りになったのも事実だ。
 
 新型コロナウイルスの感染拡大にいまだ収束のめどが立たず、さらに働き方の多様化が進む中で、リモートワークの継続、さらなる浸透は避けられない。こうした中で、いかにメンバーの孤独感をなくし、チームの連帯感を醸成するか。先行事例ともいえる同社の対策は、多くの企業にもヒントになる部分があるのではないだろうか。