スタッフサービス・クラウドワークの仕事の様子スタッフサービス・クラウドワーク社員のオンラインミーティングの様子 Photo:Diamond

コロナ禍でリモートワークが増え、同僚とのコミュニケーションが減り、孤独感を持つようになった、連帯感が感じられなくなったという悩みを持つようになった人は、少なくないだろう。人材総合サービスを展開するスタッフサービスグループの支援事業などを行うスタッフサービス・クラウドワークでは、コロナ禍以前の2016年から地方在住の重度身体障がい者を対象に完全在宅勤務を導入しているが、Web会議システムをうまく活用することで、社員が孤独感を抱くことなく、チームワークを高められているという。(ダイヤモンド・セレクト編集部 林恭子)

コロナ前から完全在宅勤務で
重度身体障がい者が活躍

「朝の定例ミーティングを始めます。皆さん、今日の体調はいかがですか? 大丈夫そうですね。では、A班、進捗の報告をお願いします。……B班、進捗の報告をお願いします。……それでは、いつも通りのフリートークを始めましょう。実は私、昨日、こんな食べ合わせをしてみたんです……」

 Web会議システム上で、慣れた様子でミーティングの司会進行をするのは、スタッフサービス・クラウドワークの栗山博行さん。宮崎県在住で、同社で働いて約2年半になる。

 スタッフサービス・クラウドワークは、通勤が困難な重度身体障がい者を対象とした在宅就労を専門的に推進するために設立された会社で、人材総合サービスを展開するスタッフサービスグループの事務処理サービスやそれに付帯する支援事業を行っている。

 重度身体障がい者の在宅就労は、16年1月に九州エリアで8人からスタート(同社設立前はスタッフサービス・ビジネスサポートの一部門として)。現在では、2府28県、青森県から沖縄県までの広範囲にわたって、在宅で301人が働いている(2021年4月時点)。

 同社エリア統括部の岡崎正洋ゼネラルマネージャーは、「重度の身体障がいがあることから出勤のハードルが高い人も多いが、在宅勤務にしたことで、広いエリアから採用が可能になった」と語る。

 主な業務内容は、インターネットを使った市場調査やデータベースの更新など。5人~15人単位の32チームが自走型で運営されている。

 九州エリアにある栗山さんの所属するチームには、山口県と九州各県、沖縄県に住む12人のメンバーが所属し、それぞれが自宅で業務を行う。チームメンバーは並列の関係で、ノルマは個人ではなくチームに課せられているため、チームワークが非常に重要になっている。