保険の裏 営業の闇#7Photo by Toshiaki Usami

年末年始に2度にわたって「ダイヤモンド保険ラボ」で報じた、FWD富士生命保険の新社長誕生のドキュメント。大型保険代理店の社長から生保の社長に転じるという異例の事態に社内は大揺れとなった。特集『保険の裏 営業の闇』(全21回)の#7では、その渦中の人である山岸英樹社長を直撃した。(聞き手/ダイヤモンド編集部 藤田章夫、編集/同 片田江康男)

代理店社長から保険会社の社長へ
きっかけは何だったのか

――光通信傘下の大手保険代理店グループ、NFCホールディングス(HD)社長から、保険会社の社長に転じました。こうしたケースは、非常に珍しいと思いますが、きっかけは何でしょうか。また、誰からオファーがあったのでしょうか。

 誰かからオファーがあったというか……、きっかけはリチャード・リー()が日本に来ていて、私が日本の保険代理店として業界動向についてプレゼンをさせていただいたことです。

李沢楷。香港の実業家で、パシフィック・センチュリー・グループ(PCG)を率いる。PCGの傘下に新興保険会社であるFWDグループがあり、同社はFWD富士生命保険の親会社となっている。

――素晴らしいプレゼンだったとか。どのようなプレゼンだったのでしょうか。

 ……(笑)。本当にプレゼンしただけですよ(笑)。今後、代理店をどのように変えていくかという話です。他には、長らく保険業界では生保・損保の一体化を進めると言いながら、なかなか進んでいません。それを代理店としてどうやっていくか、といったことなどです。