人種問題は、米国における未完の大きな議論の一つだ。そして、ティム・スコット上院議員の「米国は人種差別主義者の国ではない」との発言をめぐる現在の意見対立は、人種に関する議論の終結がまだ近くないことを示唆している。実際、問題の解決は以前より容易になっているのではなく、難しくなっているのかもしれない。しかし、問題明確化の段階に至るには、物議を醸す論争や議論が必要となることが多い。そしてそれは、人種をめぐる葛藤の一年のあとに米国がたどり着いた場所なのかもしれない。人種問題の議論が、左派の一部が認めるよりも前進しているものの、右派の一部が認めるより先が長いという点で意見が一致するということが、現在の展開が示す結論だとすれば、それ自体が前進だと言えるかもしれない。
スコット上院議員が提起した人種問題の議論
「米国は人種差別主義者の国ではない」世代間で意識の違いも
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