マッサージ店に行くのはどう考えても私的利用です。また、一人でラーメンを食べるのも同様でしょう。しかし、駅ビルにて総菜を買ったり、酒屋でお酒を買うのは場合によっては私的利用ではない可能性があります。その後に議員同士の会合に出席するためのお持たせかもしれません。

 しかし、その後、彼女は噂をされている倉持弁護士の自宅に向かったというのですから、自宅で憲法論議をしていたとしても、これは私的利用だとみなされてしまいます。

 話は変わりますが、私が議員だった当時、先述の熱海へ行った記事が報じられたことで、ある参議院議員に「キミが変なことをするお陰で、ワシも大変迷惑を被っているんだ!」と怒られました。

 どういう意味なのかわからなかったのですが、話の続きを聞いて、理解できました。

「ワシは今、昔の人が東海道を旅するのはどれくらい大変かを知るために、東海道を歩いているんや。一気に歩くことはできんから、細切れにしながら歩いとる。その際に議員パスを使っているんだが、キミの今回の週刊誌報道でそれがやりにくくなったわ!」と。

 今回の山尾氏の報道があり、私は真っ先にこの時のことを思い出しました。あの議員の行動は私的利用なのか、それとも国会議員としての公務なのか。

 議員本人も「やりにくくなった」と言っているということは、私的な要素が非常に高いのでしょう。

 議員に叱責された時、私は「あなたのケースは完全に私的利用じゃないですか!」と言い返したくなりました。ただ、それを国会議員の仕事のために生かすということであれば、公的な意味合いを持ってきます。

 いずれにせよ、議員パスについては、運用の具体的なルールを設けないと国民から厳しい捉えられ方をされる時代になってきたのかもしれません。