これがきっかけとなり11月、JOC、日本スポーツ協会、日本障がい者スポーツ協会、日本スポーツ振興センター、大学スポーツ協会、全国高等学校体育連盟、日本中学校体育連盟の7団体が「アスリートの盗撮、写真・動画の悪用、悪質なSNS投稿は卑劣な行為」とする声明を発表。JOCは公式サイトに被害の通報窓口を設け、これまで約1000件の届け出があった。

 声明発表後に、警視庁サイドからJOCに協力の申し出があり、担当者が捜査員に情報を提供。その中には、小山容疑者のサイト関連が4件含まれていたという。

 スポーツを専門にしてきた全国紙写真部デスクによると、こうした被害はネットが普及し始めた約20年前から急増。それ以前は「カメラ小僧」などと呼ばれるマニアが、高校野球のチアリーダーを盗撮して雑誌に投稿するようなケースが一般的だった。

 しかし、うまく撮影できると「自慢したい」という心理が働くのか、ネット普及後は「お宝」など目を引くタイトルで画像や動画を拡散するように。さらにはDVDが販売される被害も確認され、各競技団体は危機感を募らせた。

 最近は競技会場で「盗撮を発見次第、警察へ通報いたします」などと呼び掛ける看板を設置するなどしているが、アスリートの家族や純粋なファン、メディアの撮影もあり、カメラの持ち込みや撮影を規制するのは不可能だ。

 最近はスマートフォンの撮影機能が高性能になっていることもあり、瞬時に撮影してバッグに隠されると手の打ちようがない。