競技団体と撮影者で
続くいたちごっこ

 最近では、赤外線カメラを使いユニホームどころかアンダーウエアまで透過撮影するカメラが登場。こうなると競技団体は放置できない。体操は04年から観客の撮影を原則禁止、フィギュアスケートは05年に全面的に禁止した。当たり前だが、家族や関係者からは「なぜ、自分の娘を撮影できないのか」などという抗議もあったらしい。

 スポーツ用品メーカーがそうした透過撮影を防止する特殊素材の開発に着手したが、これは「アスリートを卑劣な盗撮から守る」という熱意によるという。

 あまり知られていないが、新潟市で昨年9月、無観客で開催された日本学生陸上競技対校選手権大会(日本インカレ、大学陸上競技部の対校試合)で、ライブ配信された応援メッセージに、性的な投稿が相次いだ。出場したアスリートは「友人の指摘で気付いた」「これを親に見られたらきつい」と肩を落としていたという。

 実はこうした被害は実業団や大学生などトップアスリートに限らず、高校生や中学生の大会のほか、小学生の運動会にも不審者が出没する。実際、筆者の娘が小学生だった頃、運動会を保護者ではない人物が撮影しており、保護者や教員ともちょっとしたもめごとになったことがあった。

 この記事を書くため、アスリートと性的なキーワードでネット検索したところ、驚くほど大量の画像と動画がヒットした。目を背けたくなるような卑猥(ひわい)なコメントが付けられているものもあり、中には児童のものも含まれていた。