活況を呈する中国の不動産市場を巡る議論では、悪化する人口動態がしばしば差し迫った脅威として指摘される。この先、中国の人口減少に伴い、市場も減速するのではないだろうか。少なくとも、外国人が特に注目する場所ではそうでもなさそうだ。この問題について考える一つの方法は、既に人口減少が始まっている地域に目を向けることだ。中にはかなりの速度で減っているケースもある。ガベカル・ドラゴノミクスの中国研究ディレクター、アンドリュー・バトソン氏は、東北3省の人口がこれまで考えられていた以上にはるかに急激に減少していることが2020年国勢調査で示されたと指摘している。2010年以降、遼寧省、吉林省、黒龍江省で記録された人口はそれぞれ2.6%、12.3%、16.9%減少した。