米エネルギー大手ビストラは全米最多クラスの36基の天然ガス発電所を有しているが、これ以上は発電所を買収または建設する予定はない。代わりにテキサス州とカリフォルニア州で太陽光発電所と蓄電池に10億ドル以上を投資し、新技術によって変貌しつつある電力業界で生き残るため、事業の転換を図る意向だ。「次のブロックバスターにならないよう必死だ」。ビストラのカート・モーガン最高経営責任者(CEO)は、経営破綻した米ビデオレンタル大手の名を挙げてこう話した。「私はこのレガシービジネスが衰退していくのを黙って見守るつもりはない」米国では10年前、フラッキング(水圧破砕法による掘削)によって天然ガスが安価に手に入るようになり、天然ガスが石炭に代わって最大の電力供給源となった。今度は天然ガスが同様の市場破壊によって脅威にさらされている。新たな破壊をもたらしているのは、風力や太陽光エネルギーを利用した費用対効果の高い蓄電池だ。
天然ガスを脅かす蓄電池、変わる米電力業界
再生エネと電力貯蔵の併用でガス発電所が「座礁資産」化も
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