米電気自動車(EV)メーカー大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はかねて同社の運転支援システム「オートパイロット」をアピールし、自動運転車が近く現実になるとの見方を示してきた。ソーシャルメディア上で注目を集めたいユーザーやテスラ車の持ち主の中には待ちきれない人もいるようだ。パラム・シャルマ容疑者(25)は、運転席を無人にして自身は後部座席に座った状態で、テスラの「モデル3」を運転しているとみられる複数の動画をインスタグラムに投稿した。カリフォルニア州警察は5月10日、ハイウエー上で後部座席から運転しているシャルマ容疑者を発見し、危険運転で逮捕した。テスラのオートパイロット技術はドライバーの支援のみを目的とするもので、ハンドルから手を離さないよう指示している。それにもかかわらず、ソーシャルメディア上では類似の動画があふれている。限界に挑むことを好むマスク氏の姿勢を反映するかのように、テスラ車の能力の限界を試そうとする動画がジャンルとして確立しており、ユーチューブやTikTok(ティックトック)では、安全機能を無効にして危険な実験を行っているとみられる動画もある。