ダウ工業株30種平均は誕生から125年を迎えた。過去の遺物ととらえる向きもあるかもしれない。だが、欠点を指摘されながらも、株式市場の動向を把握する優れた手掛かりであり続けている。後発組の一部指数とは異なり、市場を測定することのみに注力している点がその理由の1つかもしれない。12年先に誕生したダウ輸送株20種平均を除けば、ダウ平均は世界最古の株価指数だ。1896年の誕生以降、40.94ドルから3万4312.46ドルに上昇。上昇率は8万3712%に達し、驚異的なパフォーマンスをみせている。これは長期的に、米株が極めて妙味の大きい投資対象であることの証しだ。だが、ダウ平均は株価指数としてはやや変わった手法で算出される。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の初代エディター、チャールズ・ダウが初めて算出した際は、12銘柄の株価を単純に足し算した。現在では少しやり方が異なり、30銘柄の株価合計を除数で割って算出されるが、同じ問題が生じる。つまり、株価が高いほど、指数に占める比重が高くなる。ダウ平均3万4312ドルのうち、株価が413.05ドルの医療保険大手ユナイテッドヘルス・グループは2718ドルを占める。これに対し、株価126.90ドルのアップルがダウに占める割合は835ドルにすぎない。だが、アップルの時価総額は世界トップの2兆1000億ドル(約230兆円)で、3900億ドルのユナイテッドヘルスとは大きな開きがある。
ダウ平均誕生125年、欠点も魅力の1つに
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