「歯科医院は怖い」と思っている人もいるかもしれません。しかし、プロケアを続けると、歯が痛くなったり穴が開いたりする前の段階の、薬を塗るだけで治る虫歯を見つけられるので、結果的に痛い思いをしなくて済みます。また歯茎のケアにもなるので、年齢を重ねると歯茎が痩せて食べ物が挟まりやすくなりますが、その予防にもつながります。

 セルフケアでは、歯周病菌に有効なイソプロピルメチルフェノール(IPMP)を配合した歯磨き粉やマウスウォッシュの使用がオススメです。デンタルフロスと歯間ブラシを使って、歯周病が発症する歯と歯の間の清掃も忘れずに。歯周病は夜に進行しますから、寝る前の歯磨きは念入りにしましょう。

 ちなみに歯周病菌はキスで感染し、10秒のディープキスで8000万個の菌が移ったとするオランダでの報告があります。このようにパートナー同士では、口の中の細菌はお互いに移動を繰り返し、二人の細菌叢は似てくることも分かっています。歯周病対策はパートナーと一緒に行った方が効果的です。

◎宮本日出(みやもと・ひずる)歯科医師/幸町歯科口腔外科医院・院長
日本顎関節学会・代議員・指導医・専門医、厚生労働省認定歯科医師卒後臨床研修指導医教官。1965年、石川県金沢市に三人兄弟の末っ子として生まれ、猛勉強を始め、愛知学院大学歯学部に合格。のちに歯科医師免許取得。現在では、国内外に160篇以上の論文を発表し、複数のメディアにも登場するカリスマ歯科医となる。