特例で2週間の自主隔離を免除
3日連続陰性ならよかったが…

 日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長の下に、ジャマイカの選手団の来日が間に合わないかもしれない、という緊急連絡が入ったのは日付が5月31日に変わる直前だった。

 日本では依然として新型コロナウイルスが猛威を振るい、10都道府県に発出中の緊急事態宣言がさらに延長された。そうした状況下でJFAは、スポーツ庁をはじめとする関係省庁と折衝を重ね、国内で国際試合を行う上での特例が3月に承認された。

 外国人の新規入国の停止や、日本人を含めたすべての入国者に課される2週間の自主隔離期間が免除される条件として、極めて厳格な防疫措置が定められている。

 まず日本への入国に関しては、海外出国前の72時間以内に採取された検体に対するPCR検査で陰性が証明されて初めて航空機に搭乗できる。

 さらに、入国翌日から3日間連続で受けるPCR検査で、すべて陰性が確認されて初めて試合に出場できることになっている。

 日本とジャマイカの国際親善試合が予定されていたのは3日なので、5月31日までにジャマイカ選手団が入国しなければ、防疫措置を守れないことになる。

 ジャマイカ選手団は2つのグループに分かれて来日する予定だった。国内組の10選手および首脳陣が米テキサス州のダラス・フォートワース国際空港を、ヨーロッパ組がオランダ・アムステルダムのスキポール空港をそれぞれ最終経由地としていた。

 国内組は31日に来日したが、ヨーロッパ組が予約していた航空便のカウンターで搭乗を拒否された。一報を受けた田嶋会長は、あらゆる代替手段を講じたと明かした。しかし、いずれも間に合わないと判断され、日本国内で活動中だったU-24代表との強化試合開催が急きょ決まった。

 スキポール空港で搭乗を拒否された理由として、陰性証明書に不備があったと、田嶋会長は1日に急きょ実施したオンライン会見で説明している。

 同時に田嶋会長は、何をもって不備とされたのか、といった詳細は専門家を介して調査中だとして具体的に言及しなかった。しかし、ジャマイカの日刊紙「ジャマイカ・オブザーバー」は、PCR検査の検体採取方法でミスがあったと報じた。