自分の貯蓄を管理するベビーブーム世代にリスクが迫りつつある。それは株価や金利とは何ら関係がない。そのリスクとは、認知機能の低下だ。往々にして大した前触れもなく、判断力が奪われる。大きな一つの過ち――あるいは数々の小さな過ち――が家族にも気づかれぬまま、これまでの人生で苦労してためてきた貯金が水の泡となりかねない。こうしたリスクを軽減するため、ベビーブーマーたちが今できることがある。加えて、バンガード・グループやフィデリティ・インベストメンツ、チャールズ・シュワブといった自己管理型の投資の場を提供する大手各社は、認知機能低下の兆候を検知する手段を強化している。とりわけこの3社は、顧客がセキュリティーの手順や頻繁なパスワードの再設定を行うのに問題があるかチェックしている。問題があった場合は、指定された家族の一人に知らせることもある。