売上ゼロでも現状維持できる
「無収入寿命」とは

 経営者の最大の使命は会社をつぶさないこと。

 企業は期間限定のものではない。

 将来にわたって事業を継続し、発展していく。これが「継続企業の前提(ゴーイングコンサーン=Going Concern)」と呼ばれる考え方だ。

 前述のようにコロナショックはこれまでの不況と違い、B to C市場から起きた。特殊なケースだが、商品が売れなくなるリスクは常にある。

 私はそうした事態に常に備えてきた。

 それは「無収入寿命」を長くすることだ。

 無収入寿命とは、売上ゼロになっても経営の現状維持ができる期間を指す私の造語だ。

 現状維持とは、減給などのコスト削減なしで全従業員の雇用を維持し、家賃の支払いができること。

 無収入寿命は、簡単に言うと、借金などを差し引いた純粋な手元資金で、家賃や給料などの月額固定費を、何ヵ月分賄(まかな)えるかということだ(詳しい計算方法は本書で後述)。

 世の中の景気が悪くなったとき、社員から「社長、うちの会社、大丈夫ですか」と聞かれることがある。そのとき私は、

「1円の入金がなくても、24ヵ月は全社員の給料を払えます。家賃も払えます。その間に新規事業を軌道に乗せましょう」

 と即答する。

 そのために無収入寿命を正確に把握し、少しずつ無収入寿命をのばしていく。

 次回は「無収入寿命」をのばす4つの考え方を紹介しよう。