EX予約とどっちが安い?

 回数券の終了を知らせるJR東海のリリースには、こうある。

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 JR東海では、東海道新幹線のネット予約&チケットレス乗車サービス「EXサービス(「エクスプレス予約」及び「スマートEX」)」を拡充してまいりました。便利でおトクなことから、現在では多くのお客様にEXサービスをご利用いただいております。
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 つまり、ネット予約の客が増えているので、紙の切符はもういらないでしょうというのだ。「便利でおトク」とまで言うのだが、本当にそうなのか比較してみた。

金券ショップが「オワコン」に!?新幹線回数券の廃止でサラリーマンの懐にも打撃表2 EX予約との価格比較 拡大画像表示

 確かに、回数券1枚当たりの正規金額と比較すると、EX予約の方が安くなっている。しかし、金券ショップの価格と比較すると、まだ回数券に分がある。実に1000円前後の差があるではないか。EX予約の方がおトク、とはこれでは言えない。

 EXにも隠し玉があった。21日前に予約する「EX早特21」なら、早朝発など対象列車は限られるが、さらに安くなる(7月22日までは全時間帯のぞみ対象の「早特21ワイド」のみ発売)。ほかにも2名以上で土休日に利用可能な「EXのぞみファミリー早特」もあり、こちらは乗車の3日前まで購入できる(10月1日までなら平日も利用可能)。表を見ていただくとわかるが、この運賃設定なら金券ショップといい勝負ができるだろう。

 ただし、注意すべき点がある。新幹線回数券を使って大阪に行く場合、新大阪駅で降りた後も乗車区間内ならそのきっぷのままJR在来線に乗ることができる。

 たとえば新大阪で乗り換え、大阪駅まで行っても追加の料金はかからないわけだ。しかし、EX予約は新幹線駅までのため、それ以降の乗り継ぎには新たに運賃が発生する。そこで、新大阪~大阪のJR料金160円を足した金額で比較すると、トータルでは( )内の数字となる。