シンプルなEX予約で東京から大阪まで行くと片道1万3780円となり、金券ショップで6月初頭に売られていた金額1万2400円と比べると1380円もの差が出る。往復なら2760円だ。結構大きい。

 ネット予約は時代の趨勢(すうせい)と言われてしまえばそれまでだが、庶民の懐にはちときつい結果が見えてきた。

 いや、我々の話よりも気になるのは金券ショップの未来だ。売れ筋の新幹線回数券がなくなったあと、果たしてこの業界は生き残れるのか。プリペイドカードや切手類、エンタメや外食などの割引券の売り上げで、店の家賃は払い続けられるのだろうか。それとも、ネット・デジタルチケット時代とともに“オワコン”になるしかないのか。

 そんな重たい気分を抱え、新橋の金券ショップ街を歩いた。リモートワークが増え、この界隈もすっかり閑散としているのではと心配したのだが、朝10時のオープンと同時に客がわらわら集まってくる。おのおの金券を買い求める声を聞きながら、一瞬ほっとさせられた。

 金券ショップはまだまだ健在、したたかに生き残るすべを見つけてくれると信じたい。これまでお世話になったお返しに、今後もちょくちょくその様子を取り上げていきたいと思う。