欧米諸国が急速に日常を取り戻す中、新型コロナウイルスワクチンの接種が始まって間もないアジアで感染が拡大、世界的サプライチェーンにボトルネックが生じている。物価が上昇し、コロナ後の景気回復が圧迫される恐れがある。中国南部に位置する世界有数の港で感染が拡大し、国際海運に遅れが生じている。台湾とマレーシアにある半導体サプライチェーンの重要拠点でも感染者が発生。自動車・テクノロジー業界の生産を阻害している世界的な半導体不足に拍車がかかっている。感染拡大による混乱でインフレ懸念も高まっている。先週発表された中国の生産者物価指数と米国の消費者物価は前年同期比で10年以上ぶりの高い伸びを記録した。問題が解消しなければ、世界経済の成長の圧迫要因になりかねない。