5月の小売売上高に米個人消費の動向を示す信頼性の高いシグナルを期待していた人には、「まあ頑張って」と言うしかない。米商務省が15日発表した5月の小売売上高は、店舗、レストラン、オンラインの合計で前月比1.3%減となり、市場予想(0.6%減)を上回る落ち込みとなった。特に、自動車販売店、ホームセンター、家具店、雑貨店などで売り上げが減少するなど、全体的に低調だった。この傾向とは対照的に、レストラン・バーの売上高は1.8%増だったものの、新型コロナによる危機が弱まったことを考えると、もう少し伸びてもよかったのではないかと思われる。ただ、4月の売上高は大幅に上方修正された。同様に、3月の売上高も引き上げられている。商務省の発表によると、4月の全体的な売上高は前月比0.9%増(これまでの発表では横ばい)。ほとんどの分野で売上高が伸びたという。今回の修正を考慮すれば、5月の小売売上高の水準はエコノミスト予想を上回っていたことになる。
コロナ収束後の米消費予測、一筋縄ではいかず
5月の米小売売上高は相矛盾するサインを送るが、消費は増加し続ける展開か
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