また、書類の返送を希望の場合は、返信用封筒と切手を同封する必要がある。さらに、現在新型コロナウイルスの影響で書面確認に時間がかかっているとのことだった。

 手続き方法に関しては今後変更される可能性もあるので、心配であればまずは書類提出前にカスタマーサポートに問い合わせることをお勧めする。

▼PayPayカスタマーサポート窓口
電話番号:0120-990-634
窓口時間:24時間受付/土日祝日を含む365日

 PayPay問い合わせフォームから問い合わせる場合、登録している電話番号、ユーザーID、利用端末などの情報が必要になるため、電話での対応が賢明だろう。

デジタル遺産の
ガイドラインにおける深刻な現状

 今回筆者がPayPayカスタマーサポートに問い合わせた際、オペレーターも本件については初めての対応だったようで、「残高利用規約の件ですが、そちらはホームページに記載されていましたか?」と逆に聞き返されてしまった。

 また、電話中の保留時間の長さからも、このような問い合わせの少なさがうかがえた。

 このように、電子マネーなどのデジタル資産が増加している現在、それとは裏腹に、利用者が死亡した際のガイドラインにおいては、明確に定まっていないサービスが多いというのが現状だ。

 今後キャッシュレス決済がますます浸透していく中で、デジタル遺産の取り扱いは大変深刻な課題。そのためにも、利用者本人だけではなく、家族も一丸となってデジタル遺産に手が届かなくならないよう事前に対策を講じておくことが、今後ますます重要となってくるのではないだろうか。

 中国や米国に追随し、日本国内でもさらにキャッシュレス化が進んでいくと考えられる。その中でシステムや規制のさらなる整備は、サービス自体の利便性と同じか、それ以上に置き去りにしてはならない重要なテーマといえる。

訂正 記事初出時より以下の通り訂正します。
30〜31段落:被相続人→相続人
(2021年6月28日 15:21 ダイヤモンド編集部)