スタイリングはSクラスの伝統造形。テールランプ形状は大きく変更されたものの、全体的に“従来型の延長線上”と感じた。
エクステリアに比べ、フルモデルチェンジをより大きく実感するのがインテリアである。
ダッシュボードからは、いわゆるメータークラスターが姿を消した。ドライビングに必要となるさまざまな情報は、ステアリングコラム上にレイアウトされた、横長タブレット状の“メーターディスプレイ”内に表示される。
中央部には、センターコンソールから連続する大きな縦型のセンターディスプレイをレイアウト。従来型ではそこに横一線に並んでいた空調関係の物理スイッチが消滅したこともあって、モダンな感覚が一気に高まった。
新型の室内は、確かに新鮮だ。しかし、必ずしも操作性が向上したとは思えない。これはタッチ式スイッチを多用する昨今のモデルに共通する難点。一部にハプティック技術を導入して振動による応答を実現させた新型Sクラスでも、各種の入力操作をブラインドタッチだけでは行えない。中でもパワーシート調節スイッチは、固定の静電式に改められたことで微妙な調整がしにくくなったのは残念だ。