6月FOMCで「23年中利上げ」
意表を突かれた市場
米連邦準備制度理事会(FRB)は6月の公開市場委員会(FOMC)で現状維持を決定した。
これ自体は予想通りだったが、同時に公表された経済物価見通し(SEP)が23年中2度の利上げを示唆したことから、株価と長期金利が大きく反応した。
前回のSEPが24年まで利上げなしとしていたため、意表を突かれた格好だ。
複雑なのは長期金利の反応だ。
利上げ観測が強まれば上昇しそうなものだが、10年金利は逆に1.5%台後半から1.4%台前半まで急低下した。短期ゾーンは利上げ観測の強まりから上昇したため、イールドカーブは平坦化したことになる。
これを受けて市場では、(1)過度な金融緩和期待の修正、(2)急速に進んできた景気回復ペースの鈍化、(3)利上げ観測の強まりによるインフレ期待の低下、などがささやかれている。
しかし、解せないのは長期金利の水準だ。