笑顔の人生はトクばかり

ひろゆき氏:笑顔でいることにはメリットがあるんですよ。それは、「トラブルに動じない」ということです。何か大きなトラブルが起きたときに、とりあえず笑顔でいるようにすると、一瞬で「俯瞰して」ものごとが見えるんです。

 僕の場合は、遺伝なので無意識にやっているところがあるんですが、他の人にもマネできると思うんですよね。

――できますかね……?

ひろゆき氏:鏡を見て口角をあげるだけでもいいと思いますよ。少しずつ気分が変わってくると思います。それがなぜなのかというと、ほら、「他人の不幸の話」って、おもしろく聞けるじゃないですか。当事者にとっては困った経験として「悲劇」だったとしても、第三者がそれを見たり聞いたりすると「喜劇」になるという。

 それと同じ効果で、自分のことでも自分で笑ってしまうと、「この主人公はどうやって解決するのかな?」と、第三者の目線で感じるようになるんですよね。このスキルが身につくと、ものすごくトクしますよ。だって、人生で何が起きても楽しめるんですから。

――たしかに、ゲームの主人公みたいな感覚になるかもしれませんね。

ひろゆき氏:遅刻しているときも、「相手を怒らせないためには、どんなメールを送って、どんな手段で急げばいいだろう?」と、戦略的に考えたりできます。これができない人は、「ああ、怒られる……」と悲観的になってしまって、バックれたり嘘ついたりしてしまうんですよ。

 とりあえずニヤニヤしてみて、「さあ、どうしようかな?」と前向きに考えることは、とても大事なことですよ。

さすがにお葬式では笑わないけど……

――ちょっとマネしてみようと思います。それとは逆に、ニヤニヤすることでデメリットを感じたことはないんですか?

ひろゆき氏:ああ、やっぱり奥さんとかに怒られますね(笑)。「こんな大変なときに、なにニヤニヤしてんだよ」と言われたことがありました……。たしかに、横にいる人はニヤニヤされると腹がたつのかもしれません。

 さすがに、お葬式で笑うようなことはしないように努力していますが、笑っちゃいけない場面も中にはありますよね。無意識にニヤニヤするような人は、その線引きができなくなることがデメリットじゃないでしょうか(笑)。でも、トータルで見ると、いいことのほうが多いと思いますよ。笑顔の人が増えるほうが、シンプルに世の中が明るくなるじゃないですか。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、24万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。