コロナ禍による手術延期がなくなり
内視鏡、治療機器が回復する1位のオリンパス

 上位5社はいずれもメーカーだ。コロナ禍の打撃は外食産業など非製造業の方が大きい。ワクチン接種で先行する主要国経済の回復もあり、モノの動きは活発になっている。

 トップのオリンパスは、コロナ禍による手術の延期などがなくなることで主力の内視鏡、治療機器の販売が回復する。2022年3月期の営業利益は、前期比53.7%増の1260億円になる見通しだ。純利益が同6倍弱の890億円となるのは、前期に映像事業を売却し、発生した損失505億円がなくなるためである。22年3月期は配当を2円増やし、14円とする。2期連続の増配となる。

 日立建機が2位に入った。油圧ショベルの売り上げが、景気回復が加速している北米を中心に伸びる。マイニング機械は、下期からの回復を見込み、22年3月期の売上高は前期比8%増の8800億円、純利益は同212%増の323億円を見込んでいる。

 IHIは3位。航空機エンジン事業はコスト改善努力もあり、赤字幅が圧宿される。車両過給機事業も採算が改善する。加えて、資産売却益もあり、22年3月期の純利益は同167.3%増の350億円となりそうだ。21年3月期は無配だったが、22年3月期には復配し、年60円配とする予定だ。

 4位のいすゞ自動車の業績には、スウェーデンのボルボから買収したUDトラックス分が上乗せされる。22年3月期の売上高2200億円、営業利益を40億円押し上げる。上乗せ分を除いてもコロナ禍からの回復で国内外のトラックの売り上げが増加し、22年3月期の純利益は前期比157.6%増の1100億円となりそうだ。配当は年30円から年58円に増やす。

 半導体不足で自動車生産に支障が出る状態が続いているが、自動車の需要は拡大している。5位に入った自動車用部品最大手のデンソーの業績も拡大する。電動車向けの需要も伸びる。22年3月期の売上高は前期比10.6%増の5兆4600億円、純利益は同153.5%増の3170億円となりそうだ。

 なお、今回のランキングの完全版では、6位以下も含めた全116社それぞれの「予想純利益増加率・増加額・予想純利益」を掲載している。ぜひ確認してみてほしい。

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