老後資金を考える際には、豊かな老後を目指すより悲惨な老後を避けることを優先すべきだ。その場合、広い意味での「保険」の考え方が重要である。(経済評論家 塚崎公義)
悲惨な老後を避けることが重要
老後資金について考える時、「豊かな老後を送りたい」と考えるのは自然なことだが、それ以上に重要なことは「悲惨な老後は避ける」ということなので、その優先順位を間違えないようにしたい。
具体的には、「大儲けできるか大損するか」という賭けは避けることだ。大儲けを狙えば、大損するリスクを負うので、大儲けを諦めて大損をしないようにしよう。
悲惨な目に遭わないというと「保険会社と契約して保険に加入する」と考える人が多いであろう。もちろん、必要な場合には保険に加入すべきだが、「保険に加入すれば安心だ」と考えて、本当は必要でない保険に入る人も多いようなので、限定的に考えることとしたい。
ということで、本稿ではそれ以外の「保険」について考えたい。保険が「保険料を払って悲惨な事態を避ける」ことであるとすれば、少し広義に考えて「儲けるチャンスを諦めても悲惨な目に遭わないようにする」といったことを考えるのである。