原油増産を巡る石油輸出国機構(OPEC)内部の交渉が難航している背景には、需要が干上がる前にできるだけ多くの原油を販売するという新戦略を抱えるアラブ首長国連邦(UAE)の存在がある。複数の関係者によると、UAEの戦略は、中東の主要産油国の中でも極めて顕著な石油政策シフトと位置づけられる。中東産油国の政府は長年、はるか将来まで原油の買い手不足を心配していないとしてきた。だが関係者によれば、世界有数の原油埋蔵量を誇るUAEは、こうした慣例を破ろうとしている。UAEの戦略の説明を受けた関係者は「同国の炭化水素資源に価値があるうちに、その価値を最大化すべき時期だ」とし、「新エネルギーと、同様に重要である新たな収入源の双方に投資し、経済を多角化するための収入を生み出すことが投資の目標だ」と話した。