テクノロジーを巡る米中の覇権争いで興味深い一面は、たとえ双方が激しく対立する中でも、ハイテク投資家はこの温かい、相互に利益となる関係に満足してきたという点だ。少なくとも今まではそうだった。中国ライドシェア大手の滴滴出行(ディディ)がニューヨーク市場で44億ドル(約4800億円)の大型上場を果たしたわずか数日後に株価急落の憂き目に遭ったことは、中国企業による米市場への新規上場に長期にわたってブレーキをかけそうだ。少なくとも株式の分野では、トランプ前米政権が達成できなかった金融における米中デカップリングのような現象が実現することになるだろう。中国本土から規制の嵐に見舞われる中、滴滴の株価は6月30日の上場初日につけた初値の7割程度に下がっている。
米中のテク株巡るブロマンス、ついに別れの時
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