米債券市場は8日も買いが優勢となり、指標銘柄の10年債利回りは1.3%の水準を割り込んだ。一方で、短期債利回りも切り下がっており、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ観測がトレーダーの間で後退していることを示唆している。米東部時間同日午後3時時点で、米10年債利回りは1.287%と、前日の1.321%から低下。1週間前は1.479%だった。利回りはここ数カ月低下傾向にあったが、足元では低下ペースが加速。利回り上昇を見込んだ投資家のポジション巻き戻しをさらに誘発する流れとなっている。向こう数カ月に力強い成長やインフレ加速を見込む投資家はなお多いが、足元の相場動向を受けて、最も楽観的な見通しを見直す動きが出ている。これがドミノ効果となって、依然として利回りの上昇予想を堅持する投資家にもじわり連鎖。投資パフォーマンスで同業に見劣りしたくないとの考えから、自らの読みに反しながらも、米国債に買いを入れているという。