「10歳で英検2級に合格した公立の男子小学生」の親がしていた意外なことPhoto:123RF

いつ・どのように始めればいいのか…子どもの英語教育にお悩みの方が増えています。しかし、国内で日本語中心の生活をしていても、子どもの英語力をバイリンガル級まで伸ばすことは十分可能です。今回は、「幼児期の英語教育で日本語に影響は出るのか?」「英語プリスクールの選び方・注意すべきポイント」「日本の小学校に通わせながら、子どもの英語力を“バイリンガル級”に自然と伸ばす方法」について、5000人以上のバイリンガルを育ててきた経験から、解説します。(TLC for Kids代表 船津 徹)

 子どもの英語教育で話題になるのが「早期英語教育の是非」です。「言葉が発達途上の子どもに英語教育をすると母国語(日本語)がおかしくなる」という反対派に対し、「言語吸収力が高い乳幼児期に英語教育を始めた方が、効果的にネイティブ発音を伴う英語力を身につけられる」という賛成派。

 パートナーとの間で意見が分かれることも多く、この問題に決着をつけないと家庭の教育方針が一致せず、子どもの才能を伸ばす「ブレない子育て」を実現できません。しかし、英語教育の必要性は実感していても、具体的に「いつ、どのように取り組むべきなのか?」については、コンセンサスがとれていない家庭が多いようです。

 今回は「6歳までの英語教育」というテーマで、「早期英語教育の実態」と「英語プリスクールの効果」について、5000人以上のバイリンガルを育ててきた経験を交えながら見ていきたいと思います。

「早期英語教育で日本語がおかしくなる」は
本当なのか?

 結論から申し上げますと、「日本国内で」早期英語教育を行っても日本語の発達が悪くなる可能性は「ほぼゼロ」です。ただ親が英語教育を焦るあまり、言葉がおぼつかない乳幼児に「不自然な言語環境」を与えると、言語発達が「おかしくなりかけること」はあります(その場合は環境を変えればすぐに改善します)。不自然な言語環境とは、以下のようなものです。

・日本人の親が赤ちゃんに「英語だけ」で話しかける
・英語のテレビやDVDを一日中視聴させて「デジタル英語漬け」にする
・インターナショナルプリスクールに通わせて「完全英語漬け」にする