ジョー・バイデン米大統領は選挙戦で、米政界の倫理や選挙資金法の改革を公約に掲げ、政府の透明性に関わる新時代を開くと訴えていた。だが、就任から半年がたった現在も、バイデン氏は公約の多くについて実現できずにいる。バイデン氏は公約として、連邦倫理委員会の新設や連邦選挙の候補者の費用を公的資金のみで手当てすることを義務づけるための憲法改正を唱えていたが、これまでのところ、いずれについても行動していない。民主党が進めている選挙資金法の抜本改革に関する法案は議会で暗礁(あんしょう)に乗り上げている。共和党の反対に加え、身内の穏健派が「フィリバスター(議事妨害)」の撤廃に抵抗しているためだ。フィリバスターが撤廃されれば、共和党の支持がなくても上院で法案を可決することができる。