中国で最も知られている少数民族の一つに対して、国家主導の同化作戦が静かに進められている。青海省の拉日にある小さなチベット仏教の僧院では、監視カメラと習近平国家主席の巨大な肖像画の下で、信者が祈りの車輪を回している。北部にある127年の歴史を誇る僧院の僧侶らは、若者の参加に対する新たな制限が導入されたことで、人材を確保するのが難しくなったと話している。地域全体の学校ではチベット語で授業を行う教師の採用が削減されているほか、伝統的な芸術作品が中国指導者のポスターに差し替えられている。習氏は、多数派の漢民族と共産党への忠誠に基づく「団結」の名の下に、中国人として単一のアイデンティティーの確立を国家の最優先課題に掲げている。西側諸国で知られている中国政府の取り組みは、主に新疆ウイグル自治区のウイグル族などのイスラム系少数民族に対する同化政策だ。一方、630万人のチベット族が当局の標的となっていることはあまり知られていない。