心の状態は「結果」に大きな影響を与える

 楢崎選手の例は決して特別ではありません。心の状態が試合でのパフォーマンスを大きく左右することは、どのアスリートも日々、肌身に染みて感じていることだと思います。

 実際、世界トップクラスの選手ともなると、技術面での差は紙一重です。あとは、メンタル面での差が重要になります。

 つまり、心をいかによい状態に整えられるかが、勝敗の分かれ目と言っても過言ではありません。もちろん、スキルやテクニックは必要不可欠です。ところが、スキルやテクニックをただ磨くだけでは、よい結果は出せません。そのまえにまずは自分と向き合い、ビジョンを描き、今どんな心で何をすべきかを知ることが重要です。

 そして、自分の心と向き合い、必要なことを整理したうえで、練習計画を立てる、つまり、プランニングをします。自分と向き合い、プランニングした内容でスキルを磨くときにはワクワク感があります。練習がしたくてたまらなくなるでしょう。監督から一方的に命令されて仕方なく練習するのとでは、大違いです。このように自分自身で納得感を得ておこなう練習では、高いモチベーションを保てるので、同じように練習をしてもスキルの身につき方もまったく違ってきます。

 さらに、肝心の本番でも、スキルやテクニックをいくら磨いていても、そのスキルを発揮するための土台である心が整っていなければ、質の高いパフォーマンスをすることはできません。

 心がよい状態にあり、質の高いパフォーマンスや行動ができるとき、結果は求めずとも、ついてきます。だからこそ、心を整え心の状態をよくすることが、重要なのです。