2009年から大型ドローンの開発を進めているのがアメリカの「Joby Aviation」(ジョビー・アビエーション)だ。既にテストフライトは1000回を超え、2023年にはFAA(米連邦航空局)からコマーシャルフライトの許認可を取得、2024年には正式に運用開始を計画している。
筆者は大型ドローンと記しているが、正確には「eVTOL(electric Vertical Take-Off and Landing:電動垂直離着陸機)」と呼ばれているもの。短距離・多頻度運航用に設計され都市圏にて通勤者や出張者、旅行者によるオンデマンド利用が見込まれる空飛ぶタクシー市場のニーズに適している。実際、Joby Aviationが開発を進めているeVTOLの航続距離は150マイル以上、定員はパイロット1名を含めた5名、最高速度は200マイル、というシティコミューターだ。
発表されている計画では“空飛ぶタクシー”として、まずはロサンゼルス空港から周辺都市への移動に活用される。これを聞くだけで、様々な飛行場と都市部を結ぶ渋滞知らずの交通手段としての活用が容易に想像できる。いずれはライドシェア(UBERやLYFTなど)よりも1人当たりの利用料は抑えられる、とさえ目論んでいる。しかも出資社のひとつとしてUber(合計1億2500万ドル)が参加しているばかりか、ライドシェアにおけるアプリ技術を提供する、という。
トヨタの出資は「モビリティ」への
探究心を感じさせてくれる
そんなJoby Aviationには、トヨタ自動車を含めた日本勢から多くの資金が集まっている。Joby Aviationが総額8億2000万ドルの資金調達を行った「シリーズC」(4回目の資金調達)では、20社が出資した。そして、トヨタ自動車はリードインベスター(資金調達時における最大出資者)として3億9400万ドルを拠出している。