工藤氏の言う原始的な生活とは、朝は太陽の光を浴びて目を覚まし、昼は体を動かして、夕暮れには活動を終えて夜は寝る、というもの。特に“不眠”に悩んでいる人は原始的な生活で体内時計のリズムを整えてほしい、と工藤氏。

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「朝に食事を取って太陽の光を浴びると、狂っていた体内時計がリセットされて正常に動き出します。毎日定刻に食事を取るのがコツです。リモートワークで出勤時間がない人は、朝に10分ほど散歩すると不安や疲労解消につながります。日中は1時間ごとに休憩を入れて3~10分の筋トレを行えば、男性ホルモンのテストステロンと、幸せホルモンのセロトニンも増やせて一石二鳥です」

 たとえ出社していても、デスクワークでじっと座っているのはNGだという。

「リモートワークで時間の管理ができない人は、スマホのアラーム機能を活用しましょう。食事・筋トレ・休憩・入浴・就寝など、行動ごとに時間を区切ってアラームが鳴るようにしておくと、頭と体が切り替えやすくなります。僕も10個くらいアラームをつけて行動を管理して不調を克服しました。これらの対策を実践しても改善されない場合は、専門家の診療・診察を受けましょう」

 工藤氏は自著について「災害時に心の安定をもたらす“乾パン”のような存在になってほしい」と話す。備蓄した食料や水とともに『災害不調』も一冊置いておくと安心かもしれない。

(監修/みやま市工藤内科院長 工藤孝文)

工藤孝文(くどう・たかふみ)
みやま市工藤内科院長。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院や地域の基幹病院での診療を経て、現在は福岡県みやま市工藤内科で地域医療に尽力。専門は糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など多岐にわたる。メディアでも活躍中。