米自動車大手フォード・モーターは、顧客に納車まで6~8週間待たせる戦略へとかじを切った。従来のように、顧客がディーラーにある在庫の中から選ぶのではなく、ネット経由で工場に直接注文し、納車まで待ってもらう販売手法を浸透させる構えだ。フォード幹部は個人向け販売について、顧客がネットで仕様を決めて注文しディーラーで受け取る「受注生産モデル」へと変更することで、同社とディーラー双方の在庫コストを減らせると話す。また顧客の好みにより合致したクルマを提供できる一方で、値引きにつながる売れ残り車種の排除も可能になるとみている。フォードの新たなアプローチは、米国での長年の販売手法からの脱却となる。同社は7月に販売戦略の変更についてウォール街に説明し、現在導入を進めているところだ。ディーラーやアナリストは新たな手法には潜在的な利点があるとみているが、顧客が納車を待つことに消極的な場合には市場シェアを失いかねないといった懸念も出ている。
フォードのネット注文始動、「納車待ち」浸透するか
米国では購入した日に新車に乗って自宅に帰るのが一般的
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