識者も指摘しているように、そうした動きの背景で、鄧小平以前の時代のほうが『貧しかったけど、幸せだった』という一部の論調があり、格差や共産党の腐敗に対する不満が少しずつ高まってきているのは事実なのでしょう。

長期的視野に立って今こそ両国の交流深めるべき

 そうした点も含め、昨今の尖閣問題だけを捉えてどうこうではなく、ロングスパンで物事を捉える必要があるのではないでしょうか。日中間の経済のみならず文化の交流をさらに深めていくにはどうするべきか、今こそ両国が考えなければいけない時期です。中国側も今は、上げた拳を下ろせないはず。それなのに日本国中がバタバタして浮き足立っている最近の風潮は、あまりに短絡的に思えます。

Q. 11/15に、中国人マネジメントにおける心構えや方法論をまとめた著書『中国人のやる気はこうして引き出せ』が刊行されました。

 タイトルは「中国人のやる気〜」とうたっていますが、私は「日本人のやる気はこうして引き出せ」という趣旨と全く同じ内容を綴ったつもりです。海外であろうと国内であろうと、ビジネスマンの行動の原則は変わらないのだから。

 中国ビジネスは、苦しいことの連続です。簡単には前に進まない。思ってもみないことが、次々に押し寄せてきます。しかし、負けてはなりません。逆境のとき、どれだけ真正面から闘って、自分に勝ったかどうか。それが問われます。自分の心を強くし、闘って勝つ以外に、解決の道はないのです。中国でビジネスをする、あるいは、しようとする多くの方々に、中国と、中国人からの信頼が得られ、大きな成功が訪れますように、そう願っています。

★次回から3回で、同書の一部をご紹介していきます!
(次回は11月20日更新予定です。)


<新刊書籍のご案内>

何が起こるかわからないのが中国<br />心を強くし勝つ以外に解決の道はない

中国人のやる気はこうして引き出せ
ゼロから繁盛小売チェーンを築いたマネジメント術

酒やカラオケ、人脈に頼ることなく、
中国小売業で成功した秘密とは?

 世界の工場から巨大市場としての存在感を増す中国。多くの日本企業が進出しながらも、慣れない商習慣や中国人社員のマネジメントに苦戦しているうえ、反日感情の高まりによる逆風にあえいでいます。

 ただし、だからといって成長する中国市場への挑戦が終わることはないでしょう。厳しい環境に屈することなく、人心を掌握し、成功を掴むには何が必要なのか?中国人部下や彼らとともに働く日本人のモチベーションを向上させ戦力として育てていくための考え方と方法論について、まとめられた1冊です!

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